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教会だより:5月はロザリオの月 
2017年05月01日 17時56分 - 教会だより 作成者 admin(管理者)
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□ 5月はロザリオの月 □

 ロザリオの祈りは、カトリック教会における伝統的な祈りで、「アヴェ・マリア」を繰り返し唱えながら福音書に記されているイエス・キリストの主な出来事を黙想していく祈りであるが、ミサなどの典礼行為ではなく、私的な信心業として伝わるものである。基本となる祈り方(数え方)が定められていて、珠の数・形状もそれに沿って作られている。

由来・歴史
「ロザリオ」という名称は、ラテン語の rosarium に由来するもので、これは「バラの冠」という意味であり、一般的な説では、珠を繰りながら唱える祈りがバラの花輪を編むような形になるからと言われている。キリスト教の伝統の中で、聖母マリアへの祈りは初代教会から始まっていたと考えられているが、これをいまの「ロザリオの祈り」の形にまとめ、普及させたのは聖ドミニコ(1170 - 1221年)と言われている。最初の頃は、マリアの主な5つの喜びの黙想だけだったが、やがてイエス・キリストの誕生から始って受難、復活、昇天という神秘の生涯を包括する黙想の形をとり、それによってマリアに対する愛と信心とともに救い主キリストに対する信仰を深めるための、素朴で誰でも近づきやすい方法の一つとして、普及していった。日本には16世紀にイエズス会宣教師によって初めてロザリオが伝えられ、キリシタン・隠れキリシタンの時代から「コンタツ」(ポルトガル語: contas = 「数える」の意味) とも呼ばれてきた。

カトリック
カトリック教会では、古くから多くの人が定型文の祈祷を毎日捧げることを習慣にしていて、中でもロザリオについては、ピオ11世をはじめヨハネ23世、パウロ6世、ヨハネ・パウロ2世など歴代の教皇がたびたびロザリオに言及して、それぞれに讃えてきた。こうした伝統によって、カトリック信者はロザリオを肌身離さず持ち歩き、仕事の合間などに時間があればロザリオを唱える習慣が生まれ、ロザリオそのものも大切な道具(聖具)として持つようになった。ロザリオの祈りは、ミサなどの典礼行為の中で唱えられるものではないが、ミサの前後に任意で唱えたり、個人や家族・友人などとともに私的な祈り(信心業)として唱えられている。また、地方によってはカトリックの葬儀や通夜の前後にロザリオの祈りが唱えられることもあるため、カトリック信者は葬儀・通夜に参列する際にロザリオを持つ習慣もある。
最も基本的となるロザリオの祈りの唱え方は、最初の1個の珠で「主の祈り」を唱え、続く10個の珠で「アヴェ・マリアの祈り」を10回、結びに「栄唱」を唱えるもので、これを「一連」と呼ぶ。手首に掛けるタイプの小型のロザリオは、この一連分の珠を綴ったものである。一般的なロザリオは、この一連を5回分(五連)綴ったもので、これを「一環」と呼ぶ。この五連が連なったロザリオには、先端に十字架、次に1個の珠、そして3個の連続した珠、さらにもう1個の珠が加わっている。これを用いて一環祈る場合は、最初に十字架の印(いわゆる「十字を切る」)をしてから、十字架の箇所で「信仰宣言(使徒信条)」を唱え、次の珠で「主の祈り」、次の3個の珠で「アヴェ・マリアの祈り」を3回、そして「栄唱」を唱えてから、一連ずつの祈りと黙想に移る。この際、各連ごとに福音書からとられたイエス・キリストの生涯などの信仰箇条を黙想する習慣があり、黙想の対象となる神からの啓示を「神秘」と呼んで、一週間の各曜日に振り分けられた神秘を黙想するよう、勧められている。神秘の黙想:それぞれの神秘は〈喜びの神秘〉〈苦しみの神秘〉〈栄えの神秘〉〈光の神秘〉です。

聖公会のロザリオ
イングランド国教会およびその系列にある聖公会では、プロテスタント諸派と同様にロザリオの祈りの習慣はなかったが、1980年代半ばにアメリカの聖公会の司祭が考案した「アングリカン・ロザリー」と呼ばれる比較的新しい祈りが存在する。珠の数や祈り方はカトリックとは異なり、イエス・キリストの33年間の生涯を表す33個の珠からなっている。一部の聖公会では、カトリックのロザリオと同型のもの(ローマン・ロザリー)を用いる場合もある。

プロテスタント
プロテスタント諸派の信徒の間では、一部の教派を除くとロザリオは使用されていない。理由は概して次の通りである。聖母信心の有無―プロテスタントには、マリア崇敬など聖人崇敬を拒否する教派が多いため、聖母マリアの取次ぎを祈るロザリオに対して違和感がある。自由祈祷・定型祈祷の差―カトリックでは、個人で祈りを捧げる場合でも教会が定めた定型文を用いることが推奨される。それに比して、プロテスタントでは定型文を用いず、信徒それぞれの自由な祈りが重視されている傾向にある。そのため、定型祈祷文言を何度唱えたかを数えるための器具としてのロザリオが必要とされなかった。

正教会
正教会においてはロザリオは用いられない。生神女マリヤ(聖母マリア)への崇敬は正教会においても行われており、定型の祈祷文を用いる点でもカトリック教会と共通しているが、単にロザリオの祈りが正教会・東方教会には伝承・継承されて来なかったことによる。チョトキ・コンボスキニオンといった数珠状の用具が祈りにあたって用いられるが、ロザリオとは形状が異なるものの、手で手繰って祈るものであり、首にかけるものではない点では、ロザリオと共通している。ただし正教会においては、一般信徒・妻帯司祭はあまりチョトキ・コンボスキニオンを用いない。修道士が用いるケースがほとんどである(ただし、一般信徒も用いることが禁じられている訳では無い)。このことにより、修道士から選ばれる主教も修道士と同様に、チョトキ・コンボスキニオンといった数珠状の祈りの用具を手首に掛けていることが多い。
2017 Enchiclopedia




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